バイオリン職人の年収やバイオリン職人になるにはどうしたらいいのかをご紹介します。
美しい音色で人々を魅了するバイオリン。
その歴史や繊細さを知ると、バイオリン職人という職業に興味がでてきますよね!
特に、バイオリン職人の年収はどのくらいなの?
バイオリン職人になるにはどうしたらいいのか?といった点は気になるところ。
この記事では、バイオリン職人のリアルな年収や製作学校について、日本で有名なバイオリン職人をご紹介します。
バイオリン職人の年収
バイオリン職人の年収は200~400万円程度です。
バイオリン職人になる場合、働き方は2つあります。
- 楽器工房に勤める
- 個人の工房を作る
バイオリン職人になる場合、楽器工房などで勤めるか独立して自分の工房を作る必要があります。
楽器工房で勤める場合はバイオリン職人の年収は200~300万ほど。
独立した場合、駆け出しのバイオリン職人が作ったバイオリンは30万円程。
バイオリンの制作には、1挺200~250時間ほどかかります。
毎日8時間作業して、約1か月程度。
月に1回注文が入れば、年に300~400万円程ですが、開設したての工房だと注文数は多くありません。
また、製作には材料費もかかるので駆け出しのバイオリン職人はきついという声も多いです。
しかし、やりがいを感じる仕事なので、本当にバイオリンが好きという方には向いているかもしれません。
ちなみに実力がついてくれば、1挺100万円以上で買い手がつくこともあるそうですよ♪
バイオリン職人になるにはどうするの?
バイオリン職人になるのは、どうしたらいいのか?
以下3つの方法があります!
- 海外留学
- 日本国内のバイオリン製作学校に通う
- 職人に弟子入りする
バイオリン職人になるための、それぞれの方法について詳しくご紹介していきます!
海外留学
1つ目は、海外留学する方法です。
世界各地にバイオリン製作学校はあります。
しかし、バイオリンといえばイタリアのクレモナが発祥の地。
クレモナでは、多くの名器が作られています。
そんなイタリアのクレモナにある、クレモナ国際バイオリン職人専門学校は特に有名ですよね。
世界中からバイオリン職人になりたい人が集まってきます!
クレモナ国際バイオリン職人専門学校に入学するには、以下の条件が必要です。
- 18歳以上
- 高校卒業資格または大学卒業資格
5年課程で個人に合わせたプログラムを構成してくれます。
日本人ではイタリア語のレッスンなどを受けることも可能ですよ。
気になる学費は第1、2学年は年間で180ユーロ。
3学年から5学年まで年間280ユーロだそうです。
180ユーロは日本円で約28,000円、280ユーロは約43,000円程。
学費は思ったよりもかなり安くて驚きました!
しかし、その他に家賃や生活費などがかかりますね。
イタリアの物価は日本とそこまで変わりません。
生活費はおおよそ月10万円~15万円程度だそうです。
生活費だけでも年間で150万円はかかるので、貯蓄などがないと厳しいですね。
しかし、卒業生は有名なバイオリン職人が多いです。
アシスタントや修復、楽器の維持なども学ぶことができるので工房で働くことはもちろん、弟子入りなどもしやすいです。
日本国内のバイオリン製作学校
2つめは、日本国内のバイオリン製作学校に通うという方法です。
日本国内には現在3つバイオリン製作学校があります。
学校ごとに詳しくご紹介します!
国立音楽院
1つ目の学校は国立音楽院のヴァイオリン製作科です。
国立音楽院のヴァイオリン科には、日本でも数少ないドイツマイスターの称号を持つ先生がいますよ。
昼間部と夜間部、2年制と3年制で選べます。
ヴァイオリンの道具の仕立てから制作を2年間。
1年間でヴァイオリン以外にもヴィオラやチェロの製作や修理を学ぶことができますよ。
学費は以下の通りです。
- 2年制(昼間部):合計2,640,000円
- 2年制(夜間部):合計1,950,000円
- 3年制(昼間部):合計3,460,000円
- 3年制(夜間部):合計2,730,000円
上記に1年次のみ工具代26万円がプラスされます。
3年制は、ヴィオラやチェロなどの製作や修理も学ぶことができるので、バイオリンだけでなく楽器工房などへの就職もしやすいです。
国立音楽院には、東京本校と鳥取南部校、宮城キャンパスがあります。
【東京本校】
住所:東京都世田谷区池尻3-28-8
TEL:03-5431-8085
【鳥取南部校】
住所:鳥取県西伯郡南部町阿賀314-3
TEL:0859-66-6139
【宮城キャンパス】
住所:宮城県加美郡加美町上多田川字笹沢東1-1
TEL:0229-25-5461
鳥取ヴァイオリン製作学校
2つ目の学校は、鳥取ヴァイオリン製作学校です。
ヴァイオリン製作を専門としているプロフェッショナルの職人を目指せる学校です。
1年間の定員は5名と少なく、3年間の中でヴァイオリンの製作と調整、修理、修復を学ぶことができますよ♪
技術だけでなく、製作を通して精神も鍛えることができますよ。
学費は以下の通りです。
- 入学金:300,000円
- 道具代:200,000円
- 授業料:65,000円/月
3年間の学費は2,340,000円です。
ヴァイオリン製作学校たくみ
3つ目のヴァイオリン製作学校たくみは、弦楽器の製作と修復技術を学ぶ学校です。
3年間でヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、古楽器などを主に扱います。
海外研修や留学、弟子入り制度などもありますよ♪
学費は以下の通りです。
- 1年目:1,441,000円(入学金、教材費含む)
- 2年目:1,342,000円
- 3年目:1,012,000円
3年間で3,795,000円です。
海外研修などができるので日本国内だけでなく、海外への弟子入りや就職もしやすいですね!
日本国内のバイオリン職人に弟子入りするには
バイオリン職人になるために、日本国内のバイオリン職人に弟子入りするという方法も。
日本でも工房を開いている職人さんはたくさんいます。
その職人さんに、直接お願いして弟子入りさせてもらいます。
しかし、弟子入りは給料が出ないケースが多いそう…。
そのため、精神的にも経済的にもきついかもしれません!
しかし、学校などに通わず高い技術を習得でき、工房での実際の仕事を学ぶことができます。
職人さんへのリスペクト精神があってこそチャレンジできる弟子入り!
憧れの職人さんがいる方や実際に働きながら学びたいという方はおすすめです!
日本のバイオリン職人は、下記ホームページで確認できますよ♪
日本人で有名なバイオリン職人
バイオリンの本場はイタリアのイメージが強いですが、実は日本人で有名なバイオリン職人はたくさんいます♪
その中から3人、ご紹介します!
菊田浩
1人目は菊田浩さんです。
音響エンジニアだった菊田さんは、旅行中ウィーンの骨董屋で見つけたボロボロのバイオリンと出会い、購入。
そこからバイオリンを作りたいと思い、35歳でヴァイオリン製作を始めました。
その後、クレモナ国立弦楽器製作学校に入学。
最優秀賞の成績で奨学金を得て卒業しました。
その後憧れだったマエストロの二コラ・ラザーリさんに師事。
現在はバイオリン職人の高橋明さんと、クレモナの駅近くに共同で工房を開設しています。
菊田ヴァイオリン工房の公式サイトはこちら。
菊田浩さんは、国際的なコンクールでも受賞歴があります。
- 2006年:ヴァイオリン製作コンクール最高峰のヴィエニアフスキーコンクールで優勝。
- 2007年:チャイコフスキーコンクールヴァイオリン製作部門金メダル受賞
- 2012年:クレモナ・トリエンナーレファイナリスト
最高峰のコンクール、ヴィエニアフスキーコンクールで優勝した日本人は菊田浩さんが初めて。
菊田浩さんにヴァイオリン製作をお願いすると、200万円以上だそうです!!!
高橋明
2人目は高橋明さんです。
高橋明さんは13歳でバイオリンの演奏と製作を始め、16歳で独学でバイオリンを作り上げました。
30歳の時に、勤めていた会社を退職し、クレモナの国立弦楽器制作学校に編入。
マエストロのサンドロ・アジナリ氏のもとで研修。
現在は、クレモナで1人目で紹介した菊田浩さんと共同工房を開設しています!
高橋明ヴァイオリン工房の公式サイトはこちら。
高橋明さんもバイオリン製作コンクールで、数々の賞を受賞しています。
- 2005年:ルビー国際ヴァイオリン製作コンクール優勝と同時に最優秀技術特別賞受賞
- 2009年:ピゾーネェ弦楽器制製作コンクールプロ部門1位
- 2010年:ピゾーネェ弦楽器製作コンクールプロヴィオラ部門1位
- 2011年:VIOLINARVENZIS国際ヴァイオリン製作コンクール2位と同時に最優秀技術特別賞受賞
上記以外のコンクールでも、受賞歴がある凄い方です♪
堤一郎
3人目は堤一郎さんです!
堤一郎さんはイタリアのクレモナに20年以上在住。
「ルッキ・クレモナ」の工房長。
「弦楽器製作・楽弓製作学校 私立アカデミアクレモネンシス」楽弓プロフェッショナルコース講師として活躍しています。
堤一郎さんも数々のコンクールで受賞していますよ。
- 2007年、2008年:ANLAI弦楽器製作国際コンクールヴァイオリン製作部門1位
- 2008年:VSA弦楽器製作国際コンクールヴィオラ製作部門3位
上記以外にも数々のコンクールで受賞歴がありますよ。
とっても凄い方ですが、堤一郎さんのバイオリンは、165万円程で購入できるものもあります♪
堤一郎さんのSNSはこちらです!
高橋尚也
4人目は高橋尚也さんです。
高橋尚也さんは、東京のバイオリン製作学校にて学びましたが作品の出来栄えに納得がいかず…
クレモナの国立バイオリン製作学校に入学し、学び直しました。
クレモナでは、世界的に有名なジオ・バッタ・モラッシーとその息子のシメオネモラッシーに師事。
2011年に生まれ故郷の高知県四万十町に戻り、工房を開設しています!
高橋ヴァイオリン工房では、ヴァイオリン教室やレンタルも行っています。
高橋尚也さんのバイオリンが気になるという方は、レンタルして試してみることもできますね♪
高橋ヴァイオリン工房の公式ホームページはこちらです。
天野年員
5人目は天野年員さんです。
天野年員さんは京都府出身。
30歳の時にクレモナの国立弦楽器製作学校に3年生として編入。
その後ジオ・バッター・モラッシーさんの工房で研鑽を積みました。
2005年からプロの製作家として活動をはじめ、2010年に地元京都に「あまのとしかず・ヴァイオリン工房」を開設しています!
天野年員さんも数々の受賞歴がありますよ。
- 2006年:VIOLINO ARVENZIS国際ヴァイオリン製作コンクール第3位入賞
- 2007年:VIOLINO ARVENZIS国際ヴァイオリン製作コンクール第1位受賞、 同時に最優秀技術賞を受賞
- 2007年:チャイコフスキーコンクールヴァイオリン製作部門4位入賞
天野年員さんの作品はこちらで見れます♪
バイオリン職人の年収となるにはどうするかまとめ
バイオリン職人の年収となるにはどうしたらいいのかについてご紹介しました!
- バイオリン職人の年収は200~400万円ほど
- バイオリン職人になるには、日本のバイオリン製作学校に通うか留学、職人に弟子入りする
- バイオリン製作学校をご紹介
- 有名な日本人のバイオリン職人を5人ご紹介
バイオリン職人になるのは大変そうですが、とっても素敵なお仕事ですよね♪
バイオリン職人になりたいという方の参考になれば嬉しいです!
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