子どもから大人までバイオリンを学んでいくのに必ず必要なバイオリン教本!
でも、レベル別にたくさんのバイオリン教本があって、どれを選んだら良いのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、バイオリン教本をレベル別にご紹介!
進度の目安や初心者から上級者向けのおすすめなバイオリン教本、さらにバイオリン教本の特徴など、詳しく解説していきます。
バイオリン教本とは
そもそもバイオリン教本とは、バイオリンを上手に弾けるようにするための、いわゆる学校の教科書やドリルのようなものです。
教科書のような役割を持つ教本では、新しいことを学ぶのに、解説や写真と共に、その練習ができる曲や簡単な練習曲が載っています。
そのため、順番に新しいことを学びながら、バイオリンを上達させることができます。
ドリルのような役割を持つ教本は、エチュードと呼ばれます。
エチュードは、難易度順に練習曲が並べられているわけではありません。
それぞれの練習曲で学ぶべきテーマがあり、苦手な奏法を克服するなど、自分に必要なものを選んで進めていくものです。
バイオリン初心者・中級者・上級者のレベルの目安
バイオリン教本は、自分のバイオリンのレベルによって使うべきものが変わっていきます。
とはいえ、自分が今どのレベルにいるのか、わかりにくいですよね。
ここでは、バイオリンのレベルの目安を3つに分けて解説していきます。
バイオリン初心者のレベルの目安
まずは、正しいバイオリンの構え方や弓の持ち方・動かし方を身につけることが最優先です。
その上で、1stポジションで様々な音階が弾けるようになりたいレベルです。
また、重音や音の強弱をつけられるようになってほしいです。
バイオリン中級者のレベルの目安
ポジション移動(左手の位置の移動)やビブラート、フラジオレット(指で弦を触る)などの複雑な奏法を身につけているレベルです。
中級者の方が弾ける曲の目安は、以下の通りです。
- エルガー/愛の挨拶
- マスネ/タイスの瞑想曲
- ゴセック/ガボット
これらの曲で音程をあまり外すことなく、それなりに弾けるレベルが中級者です。
また、ソロだけでなく、アンサンブルにも気軽に挑戦できるようになります。
バイオリン上級者のレベルの目安
さらに高いポジション移動や10度の重音、フィンガードオクターブ(1,3→2,4の順に音を取る)などをこなしていくレベルです。
上級者の方が弾ける曲の目安は、以下の通りです。
- ヴィタリ/シャコンヌ
- メンデルスゾーン/バイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
- サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
このレベルになると、オーケストラで1stバイオリンを担当できるようになります。
バイオリン初心者におすすめの教本
まずは、初心者の方のおすすめのバイオリン教本をご紹介します!
結論から言うと、筆者のおすすめは新しいバイオリン教本です。
バイオリンの3大教本と呼ばれる、指導者の間でも評価が高いものが以下の通りです。
- スズキバイオリン教本
- 篠崎バイオリン教本
- 新しいバイオリン教本
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
鈴木ヴァイオリン指導曲1~3巻
スズキメソードから生まれた全10巻の教本です。
難易度が緩やかに上がっていき、ボリュームも多くないので進めやすいです。
また、CDが付いているので、模範演奏を聴くことができるのはメリット。
ただし、音階などの基礎的な練習はほとんど載っておらず、曲をどんどん進めていくスタイル。
基礎練習が苦手な方、有名な曲を演奏して、楽しみながら進めたいという方におすすめです。
篠崎ヴァイオリン教本1・2巻
図と共に説明がしっかり載っている全4巻のバイオリン教本です。
1冊のボリュームが多いのですが、1巻が終わる頃には、様々な左手のおさえ方を習得できるようになっています。
独学でバイオリンを学んでいる方や、基礎からゆっくり丁寧に進めたい方におすすめです。
2巻からは曲が増え、二重奏になっているので、先生と一緒にアンサンブルをしながら学ぶことができます。
後半からは、カイザーのエチュードが載っています。
そのため、新たにエチュードを買い足さずに済むので、お財布に優しいです。
新しいバイオリン教本1・2巻
筆者が最もおすすめする教本です。
基礎的な練習と短い曲が、交互にほどよく混ざっている全6巻のバイオリン教本です。
バイオリンの構え方や弓の持ち方の写真が多く、良い構えと悪い構えの両方が載っているので、とてもわかりやすいです。
また、右手と左手をそれぞれ別々に練習するところから始まるので、バイオリンを始めたばかりの方でも進めやすいです。
2巻になると、指のおさえる位置がどんどん変わっていきます。
1巻よりもハイペースで進みますが、変わらず音階・リズム練習・曲がほどよく混ざっているので、上達が早いです。
基礎的な練習と曲のバランスが良いので、子どもから大人までおすすめのバイオリン教本です。
カイザー「36の練習曲」
ある程度、色んな音階に慣れてきた頃に並行していくエチュードです。
上で紹介した教本のそれぞれ2巻の途中くらいから始めるのが良いです。
それぞれの練習曲でテーマが異なるので、必要な技術を徹底的に学ぶことができます。
ただし1曲が長いので、技術だけを学びたい方は1曲の半分くらいまででも良いと思います。
演奏するための体力をつけたい方は、最後まで弾いた方が良いです。
バイオリン中級者におすすめの教本
続いて、中級者向けのバイオリン教本をご紹介します。
先ほどと同じように、それぞれ詳しく解説していきます!
鈴木ヴァイオリン指導曲4~7巻
ひとつひとつの曲のボリュームが多くなり、1曲あたり2~3ページほどになります。
また、序盤と終盤の曲のレベルがあまり変わらないというケースがあるので、全ての曲をやらないという選択肢もありです。
基礎的な練習は少ないので、上達したい方はこの教本だけでは足りません。
音階教本やエチュードと並行して進める必要があります。
篠崎ヴァイオリン教本3巻
音階やエチュード、曲がこの1冊で完結するバイオリン教本です。
他の教本を買い足さなくても十分です。
中身の半分ほどがポジション移動の練習なので、ポジション移動を習得しやすいです。
新しいバイオリン教本3・4巻
3巻では、ポジション移動やビブラート・フラジオレットの練習が出てきます。
基礎的な練習と曲のバランスが良いので、楽しみながら進めることができます。
4巻では、3巻よりも高いポジションでの演奏に慣れることに重点を置いています。
4巻からは進度がゆっくりになるので、曲を弾きながら高いポジションに慣れることができます。
ヴァイオリン音階教本/小野アンナ
正確な音程で弾くために必要なのが、音階練習です。
ポジション移動やオクターブの練習ができるので、曲でポジション移動が出てきた頃に併せて練習すると、上達しやすいです。
初めての音階教本と言えばこれ!
バイオリンを演奏する人なら必ず持っていると言っても良い一冊です。
クロイツェル 42の練習曲
バイオリンを演奏するために必要な基本の奏法に加え、難易度の高い重音練習も載っており、ボリュームのあるエチュードです。
全曲弾ければ、どんな曲でもとりあえず一通り弾けるようになると言われているので、必ず取り組んでおきたいです。
オーケストラへの入団を考えている方は特に必須です!
バイオリン上級者におすすめの教本
最後は上級者向けのバイオリン教本をご紹介します!
それぞれの特徴などを詳しく解説していきます。
鈴木ヴァイオリン指導曲8~10巻
さらに1曲のボリュームが増え、9・10巻では1冊につきバイオリン協奏曲1曲となります。
それぞれの曲を弾くための簡単な練習はありますが、それだけでは足りません。
そのため、他の音階教本やエチュードと併せて進める必要があります。
篠崎ヴァイオリン教本4
さらに高いポジション移動の練習が加わります。
とはいえ、鈴木ヴァイオリンや新しいバイオリン教本より優しいです。
ひとつひとつじっくりゆっくり進めたい方にはおすすめです。
もう少し難しいことに挑戦したい方は、他のバイオリン教本をおすすめします。
新しいバイオリン教本5・6
5巻では、3度6度オクターブの練習や、さらに高いポジション移動の練習が出てきます。
6巻になると、10度の重音練習が出てくるので、難易度が高くなります。
6巻まで進むと、難易度が高い曲にも挑戦しやすくなるので、これから難しい曲に挑戦したい方におすすめです。
カールフレッシュ
音階練習の全てが詰まった音階教本です。
音大生やプロも愛用しています。
これがあれば、音階を網羅できるのであると便利です。
ただし、本自体が分厚く、重さも500gほどと重いので、持ち運びには適していません。
ローデ 24のカプリース
クロイツェルよりも少し難易度が上がったエチュードです。
曲のような美しいメロディーがあり、発表会で弾かれることもしばしばあります。
ドント 24の練習曲とカプリース
さらに高い演奏技術を身につけるためのエチュードです。
基礎的な技術のレベルアップや応用された技術を身につけるのにぴったりです。
バイオリン教本のレベル別解説まとめ
ここまで、バイオリン教本についてまとめました。
- バイオリン教本とは、学校で言う教科書やドリルのようなもの
- バイオリン学習者のレベル別の目安
- レベル別おすすめバイオリン教本
自分にぴったりなバイオリン教本を見つかりましたか?
ぜひ参考にして、バイオリンを楽しんでいきましょう!
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