バイオリンの美しい音色を作るための奏法として、ビブラートがあります。
バイオリン弾きなら、ビブラートを綺麗にかけて演奏したい、と憧れる人も多いはず!
しかし、いつからビブラートの練習を始めたら良いのか分からない、挑戦してみたものの上手くできない、といったご相談はたくさんいただきます。
というわけで、この記事ではバイオリンのビブラートについて解説しちゃいます!
いつからビブラートの練習をしたら良いか、ビブラートのやり方のコツやうまくできない理由をじっくりチェックしてくださいね^^
バイオリンのビブラート練習はいつから?習得期間の目安
バイオリンのビブラートは、第2、第3ポジションがある程度できるようになってから練習すると良いです。
なぜかと言うと、ポジション移動に慣れてくると、左手の脱力ができるようになっているはずだからです。
また、ポジション移動の動きはビブラートの動きと似ている部分がありますが、第2、第3ポジションへの移動の方が易しいです。
筆者はこれまで、先にビブラートに取り組んでいた生徒さんを何名か指導したことがありますが、なかなか進めず、習得までかなり時間を要しました。
結局は、先にポジション移動の練習を進め、その後にビブラートを習得された方が多かったので、やはり順番を逆にするのは効率が悪いと感じています。
ビブラートに挑戦するベストタイミングは、第2、第3ポジションに慣れてきた頃と言ってよいでしょう。
またビブラートの習得期間は、早くて2~3ヶ月ほどかかります。
半年かかっても決して遅くはないですよ!
すぐにできるようになるわけではないので、焦らず練習しましょう!
ただし、ビブラートのやり方を間違えた状態で練習しても習得できないので注意が必要です。
1年練習しても難しければ、別の先生に見てもらうことをおすすめします。
バイオリンのビブラートのやり方は3種類
バイオリンのビブラートは3種類あります。
- 腕からかけるビブラート
- 手首からかけるビブラート
- 指先でかけるビブラート
それぞれの特徴やどんな場面で使うのか、解説していきます!
腕からかけるビブラート
腕からかけるビブラートは、よく使われるビブラートです。
左腕をバイオリンのネックと同じ方向に前後に動かして、ビブラートをかけていきます。
大きくゆったりとしたビブラートがかけられるため、ビブラートをゆっくりかけたい時にも使われます。
手首からかけるビブラート
手首からかけるビブラートでは、扉をノックするイメージで、手首を動かすビブラートです。
腕からかけるビブラートよりも速いビブラートがかけられます。
そのため、ゆったりとしたメロディーよりも、速いメロディーでビブラートをかけたい時によく使われます。
指先でかけるビブラート
指先でかけるビブラートは、指の第1関節を曲げ伸ばししてかけるビブラートです。
第1関節が柔らかくないと動かせないため、硬い方はひたすら第1関節を曲げ伸ばしするストレッチが必要です。
主にハイポジションを弾く際に使われます。
バイオリンのビブラートができない理由
バイオリンのビブラートができない理由を4つご紹介します。
- 正しい左手のフォームができていない
- 親指や手首に力が入りすぎてしまう
- 指を動かす向きが違うと楽器が揺れる
- ゆっくり練習していない
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
正しい左手のフォームが身に付いていない
そもそも正しい左手のフォームができていないと、ビブラートはかけられません。
筆者は500人以上レッスンをした経験がありますが、正しいフォームを作れている方は10%以下です。
ほどんどの方が問題を抱えているので、ビブラート練習に入る前に必ず改善しましょう。
チェック項目を一部ご紹介します。
- 親指の位置は正しいか
- 人差し指側面がネックに当たる位置は正しいか(第3関節が指版の表面にくるのが正しい)
- 左手で楽器を支えていないか
- 手のひらがネックに近づいていないか
- 親指と人差し指の間にはトンネルのような空間が作れているか
- 押さえていない指は指板の少し上に配置できているか
- 押さえる弦や指が変わる度にフォームが崩れていないか
他にも悪い癖はたくさん見てきましたが、よくある例の一部を記載しましたので、参考にしてくださいね!
いずれにせよ、どんな場合でも左手のフォームが崩れているとビブラートはできないので、改めて先生に確認してもらいましょう。
親指や手首に力が入りすぎてしまう
親指や手首に力が入りすぎていると、ビブラートをかけたいと思っても、スムーズに指先を動かすことができません。
ビブラートをかける時は、普段よりもっと力を抜く必要があります。
そのため、普段から「力を抜いてください」とレッスンで言われている人は、ビブラートの練習に進むには少し早いかもしれません。
まずはビブラートなしでしっかり脱力できるよう練習していきましょう。
どうしても力が入ってしまう場合、準備体操をしたり、歩きながら練習をしてイメージトレーニングをしてみるのも良いですよ!
指を動かす向きが違うと楽器が揺れる
指を動かす向きが違うとバイオリンが揺れてしまい、ビブラートをかけることはできません。
しかし、この状態の方、実はたくさんお見かけします(;’∀’)
特に多いのは、自分の指の爪先に沿って左右に揺らしている人です。
これは間違いで、弦に沿って斜めに指先を動かさなければ音程は変わりません。
指についている弦の跡に注目していただくと分かりやすいです!
心当たりのある方は、まずは音を出さず、この指を動かす方向だけに注目して左手の練習を行うと効果的ですよ!
ゆっくり練習していない
ビブラートに限らずですが、ゆっくり練習してできなければ、もちろん速くしてもできません。
なんとなく雰囲気だけを見よう見まねでやってしまうと、悪い癖がついてしまうので、ご注意くださいね。
まずは、全弓のロングトーンで一弓につき1回音程を変えるところから始めます。
これがビブラートの原点ですよ!
音程は、押さえたところからゆっくりと下げてください。
上手くできるようになってきたら、音程を変える回数を少しずつ増やしていきましょう。
8回くらいできるようになるとビブラートらしくなってきますので、それぞれの弦と指で練習してくださいね。
バイオリンのビブラートの練習器具はある?
バイオリンのビブラートの練習器具は、筆者の知る限りありません。
左手のフォームの矯正器具や弓の持ち方をサポートするものはありますが、ビブラートの練習器具は調べても出てきませんでした。
ただし、身近なものでビブラートの練習器具を作ることができます。
まず、500mlのペットボトルに水を半分ほど入れ、左手でバイオリンを構える時と同じように持ち、前後に降ります。
そうするとビブラートと同じ動きになり、ビブラートで必要な腕の筋肉を使うことができるので、イメージトレーニングにおすすめです!
他にも、ペン等を使って指先を動かす練習をしてみるのも有効ですよ。
バイオリンのビブラートにおすすめの練習曲
バイオリンのビブラートにおすすめの練習曲を3つご紹介していきます。
- カイザー2番
- アヴェ・マリア(グノー)
- G線上のアリア
どの曲もゆったりとした曲調で、ロングトーンが多い曲です。
アヴェ・マリアやG線上のアリアはとても有名なクラシック曲なので、弾いていて楽しくビブラートの練習ができますよね!
このように難易度が高すぎず、ゆったりとした曲や、今まで弾いたことのある慣れた曲でビブラートを練習してみると良いです。
基本のビブラートが練習でできても、曲で実践すると様々な課題に直面しますので、必ずレッスンで先生の指導を受けるようにしましょう。
ビブラートは速度や振れ幅によって様々な表現ができますので、ぜひ使い方も合わせてマスターしてくださいね♪
ヴァイオリンのビブラートができない!練習方法まとめ
ここまで、バイオリンのビブラートについてまとめました。
- ビブラートは第2、第3ポジションがある程度できるようになってから
- 3種類のビブラート
- ビブラートができない4つの理由
- ビブラートの練習におすすめの3曲
悪い癖がつかないように注意しながら、ビブラートでたくさんの表現を身に付け、バイオリンの演奏を楽しんでいきましょう!
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