バイオリンを弾く前に欠かせないチューニング。
でも、チューニングして弦がいきなり切れたらどうしよう…怖いな…と思う方もいらっしゃいますよね。
そこで今回はバイオリンのチューニングについて分かりやすく解説していきます。
バイオリンのチューニングが怖い人は必見ですよ!
記事の後半では、チューニングがすぐ狂う場合の対策や、重音で調弦するやり方についてもお伝えしていきます。
バイオリンのチューニングはすぐ狂う?
バイオリンのチューニングは他の楽器と比べるとすぐに狂うことが多いです。
特にバイオリンの弦を張り替えたばかりだったり、急激な温度変化があるとチューニングがとても狂いやすいです。
時には1時間の練習で5回以上チューニングが必要になることも…。
バイオリンの上達には、チューニングの習得がかかせません。
バイオリンのチューニングが怖い人は多い?
バイオリンのチューニングが怖いと思う初心者の方は多いです。
実際にレッスンでチューニングのやり方を教えている時も、「弦が切れそうで怖い…」という声をよく耳にします。
最初のうちはとても怖いと感じますが、練習するたびにチューニングしているとだんだんと慣れていきます。
焦らずゆっくりで良いので、バイオリンの練習をする際はチューニングに挑戦して少しずつ慣れてみましょう!
初心者の方で時間がかかりすぎてしまう場合は、その日に使う弦だけ合わせるようにするのもひとつの方法です。
バイオリンの弦が切れる原因
バイオリンの弦が切れる原因として1番多いのは、ペグを急激に回すことです。
既に弦がピンと張っている状態で勢いよくペグを回すと、簡単に切れてしまいます。
目安としては、正しい音程の2つくらい上の音(A線ならドの音)になると切れやすいのでご注意ください!
弦が切れないようにするには、ペグを回す時に、一度手前に回して緩めてから、ゆっくりと弦を張るようにしましょう。
今どの音になっているかも確認しながらペグを回してくださいね。
バイオリンのチューニングのやり方
ここではバイオリンのチューニングのやり方について4つに分けて解説していきます。
- バイオリンのチューニング前の準備
- バイオリンのチューニングの順番
- バイオリンのチューニングを1本ずつやる方法
- バイオリンのチューニングを重音でやる方法
それでは順番に見ていきましょう!
バイオリンのチューニング前の準備
バイオリンをチューニングするのに欠かせないのはチューナーです。
楽器店でチューナーは売られていますが、スマホのチューナーアプリでも手軽に利用することができます。
おすすめのチューナーアプリは別記事「バイオリンのチューニングアプリおすすめはどれ?使い方を講師が解説」でご紹介しています。
チューナーやチューナーアプリが手に入ったら周波数を442Hzに設定しましょう。
最初は440Hzになっていることが多いです。
昔は440Hzでしたが、時代とともに基準となる周波数が変化していき、現在では442Hzが主流となりました。
そのため、必ず442Hzに変更しておきましょう。
バイオリンのチューニングの順番
バイオリンのチューニングはどの弦から合わせても大丈夫です。
しかし、一般的にはオーケストラに習って以下の順番で合わせることが多いです。
- A線(ラ)
- D線(レ)
- G線(ソ)
- E線(ミ)
この順番で合わせていると「ある程度バイオリンの知識がある人」という印象を持たれます。
バイオリンのチューニングを1本ずつやる方法
バイオリンのチューニングを1本ずつやる場合は、先ほどの順番通り「A線→D線→G線→E線」でチューニングを行っていきます。
弦の下の部分にアジャスター(金属ネジのこと)がついている場合、ペグに比べて微調整がしやすいので活用していきましょう。
まだチューニングに慣れていない方は、座った状態でバイオリンを膝の上に置き、指で弦をはじいてみましょう。
そうすると、バイオリンが安定しやすいので安心感がありますよ。
すでに楽器の構えが安定していて、両手を離せる場合は楽器を構えたままチューニングをしていきます。
こちらの方がチューナーを見ながらペグやアジャスターを動かせるので速いです。
チューナーを442Hzに設定しているのを確認したら、A線を弾いてみましょう。
まずはチューナーを見て、自分が出している音の音名が合っているかどうかをまずは確認してください。
もし、A線を鳴らしているはずなのに「A」以外の音名が出てきたらそもそも音が違うということになります。
その場合は、「A」になるようにペグをゆっくり回して調整していきます。
下の表を参考にすると、「A」より高いのか低いのかわかりますよ!
イタリア語 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語 | C | D | E | F | G | A | B |
- #・・・半音高い
- ♭・・・半音低い
チューナーが「A」と表示されていたら、針を見てみましょう。
針が左側にあれば音が低い、右側にあれば音が高いということになります。
針が真ん中を指していれば音が正しいということになります。
アジャスターを使う場合、まずは針が真ん中付近に来るようにゆっくりとペグを回し、大体音程が合ったらアジャスターで調整しましょう。
正しい音になったら次の弦をまた同じようにチューニングして、4本全て出来たらチューニングは終わりです!
バイオリンのチューニングを重音でやる方法
バイオリンのチューニングを重音でやる場合でも、チューニングの順番は「A線→D線→G線→E線」と、同じです。
まずは、A線をチューニングしていきます。
A線のチューニングは、チューナーを使うか、ピアノの音を耳で聴きとって同じ音に合わせていきます。
A線のチューニングが終わったら、それ以降はチューナーを使わずに合わせていきます。
A線とD線の重音を弾き、D線をチューニングします。
ペグを動かしてみて、明るい響きがでる音程を探しましょう。
慣れるまでは「ここだ!」と思った音が合っているか、チューナーで確認していくと良いです。
D線のチューニングが終わったら、D線とG線の重音を弾き、G線をチューニングします。
G線のチューニングが終わったら、E線とA線の重音を弾き、E線をチューニングして終わりです。
バイオリンのチューニングを重音でやっている方って、かっこよく見えますよね!
チューニングを重音でできるようにするためには、A線とD線、D線とG線、E線とA線それぞれの重音の響きを覚える必要があります。
それぞれの重音の響きにじっくりと耳を傾け、長い目で覚えていくようにしてみてください。
慣れてくると、だんだんと綺麗な響きを覚えることができますよ!
バイオリンのペグの巻きがすぐ戻る時の原因と対処法
せっかくバイオリンのチューニングができたのに、ペグがすぐに戻ってしまうとショックですよね。
チューニングしてもペグが戻ってしまう原因は主に以下の4つです。
- 湿度の影響
- ペグを奥まで押し込めていない
- ペグの滑り止めが効かなくなっている
- ペグの太さと穴の大きさが合っていない
それぞれの原因に対する対処法を詳しく解説していきます!
湿度の影響
乾燥が気になる冬の季節になると、バイオリンのペグがすぐに戻ることが多いです。
ペグ自体も木で出来ているので、乾燥によってペグが縮んでしまい緩くなってしまうからです。
そのため、加湿器等を利用して、部屋の湿度を40~60%ほどに保つようにしましょう。
ペグを奥まで押し込めていない
バイオリンのペグが戻る原因で1番多いのが、ペグを奥まで押し込めていないケースです。
ペグは指で挟む側が太く、先端側が細くなっています。
そのため、ペグを押し込まずにただ回すだけにすると、徐々にペグが抜けてしまうのです。
そうならないために、ペグを奥にぐっと押し込みながら回すと、ペグが止まってくれますよ!
やりにくい場合は、構えている楽器を下ろして、両手でグイっとねじ込んでください。
ペグの滑り止めが効かなくなっている
チューニングしてもペグが戻ってしまう場合、ペグに塗ってある滑り止め剤が効かなくなっていることもあります。
その場合は、弦を外してからペグをバイオリンから引き抜き、ペグとペグと穴の接地面に滑り止め剤を軽く塗ります。
その後、ペグをバイオリンに差し込んでから数回ペグを回し、弦を張りなおすようにしましょう。
ペグの滑り止め剤は楽器店にも置いてありますので、1本持っておくと便利ですよ!
「ペグドープ」というアイテムは潤滑剤としても滑り止めとしても使えるのでおすすめです。
ペグの太さと穴の大きさが合っていない
ペグの穴よりもペグが細いとペグがすぐに戻ってしまいます。
この場合は、穴に合うペグに変える必要があります。
リペアマンがいる楽器店や工房で相談すると穴に合う新しいペグを調整してくれますので、ぜひ相談してみてください。
その際、予約が必要な場合がありますので、電話やメールなどで問い合わせるようにしましょう。
バイオリンのチューニングが怖い人のやり方まとめ
ここまでバイオリンのチューニングが怖い人のやり方をご紹介していきました。
- バイオリンのチューニング頻度
- バイオリンの弦が切れる4つの原因と対策
- チューニングのやり方
- ペグが戻る原因と対処法
ぜひ、参考にしてみてください!
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