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バイオリンの駒の調整は自分でできる?角度や交換のやり方も紹介

バイオリンの駒の調整は自分でできる?

バイオリンは様々な要因で、駒の角度や位置がずれていきます。

そのまま放置すると、バイオリン本来の美しい音色が出にくくなるだけでなく、駒が倒れてバイオリンに傷がついてしまったり、その衝撃で板が割れることがあります。


では駒の角度や位置がずれている時、果たして自分で調整できるのでしょうか?

ここでは駒の役割から正しい角度や位置、自分で調整できるのか、駒の交換が必要な状態やその価格まで紹介していきます。

この記事を書いたバイオリン奏者
目次

バイオリンの駒の役割

バイオリンの駒には弦の振動を効率よく本体に伝える役割があります。


実は弓で弦をこすった振動はとても小さく、あまり音が響きません。

この小さな振動を弦から駒を通じてバイオリン本体へ伝えることで、振動を増幅させることができます。

そうすることで、大きなホールでも遠くまで響く音へと変わるのです。


具体的には、弓で弦をこすった時の振動は横振動となります。

しかし、本体は縦にしか振動しないため振動の方向を変える必要があり、その役割を担っているのが駒です。


駒は受け取った横振動を縦振動へと変換することで本体に振動が伝わり、本体が共鳴することで大きな音が出るようになるます。

そのため駒が正常な状態で立っていないと振動がうまく本体へ伝わらず、楽器本来の美しく豊かな音色を出すことが難しくなってしまいます。




バイオリンの駒は音色に直結する非常に重要な役割を担っているのです。


バイオリンの駒の向きとカーブ

バイオリンの駒の向きですが、カーブが左右非対称になっています。

カーブが緩やかで高さが高い方がG線側、カーブが急で高さが低い方がE線側になるようにしましょう。

左右逆にしてしまうと、E線は最も張力が強いため高さが高くなることで弦に負荷がかかり、弦が切れやすくなるため注意しましょう!


駒のカーブは、それぞれのバイオリンに合わせて作られています。

そしてカーブがあることで1本1本の弦を明確に鳴らせるようになっています。

もしカーブがなかったら、両端のG線・E線は鳴らせますが、真ん中のD線・A線は1本ずつ鳴らせませんよね?




カーブの深さによっても弾きやすさも変わります。

カーブが深いと1本ずつ音を鳴らしやすいですが、移弦する時の腕を動かす上下幅が大きくなり、カーブが浅いとその逆になります。

バイオリンによってカーブの深さが変わりますが、前者の方が音を明確に弾けるという意味では初心者向けのように思います。


バイオリンの駒の調整は自分でできる?

バイオリンの駒の調整は自分でできます。

ただし、駒の状態によって自分で調整できるかが決まります。

  • 駒の上部だけが傾いている場合
  • 駒全体の位置がずれている場合
  • 駒に歪みがある場合

この3つの状態別に、駒の調整方法をご紹介していきます。

駒の上部だけが傾いている場合

駒の上部だけが傾いている場合は、自分で調整することが可能です。

駒のテールピース側が直角になるように調整していきます。

  1. 椅子に座り、太ももの上にバイオリンを置く

  2. 両手の親指と人差し指で駒の上部を挟むようにして持ち、ゆっくりと傾ける

  3. 横から駒とバイオリンの角度を見ながら、テールピース側が直角になるまで調整する

この時にゆっくりと少しずつ傾けていくのが大事なポイントになります。

大きく傾けると駒が倒れ、表板に傷がついてしまうことがあるので注意しましょう。


もし心配な場合は、ハンカチやタオルを板の上に敷いておくと安心です。



駒全体の位置がずれている場合

駒全体の位置がずれている場合も、自分で調整することが可能です。

f字孔の内側の刻みに駒の中心が来るようにずらし、左右がまっすぐになるように調整します。

  1. 椅子に座り、太ももの上にバイオリンを置く

  2. 駒を動かすことができるようになるまで、全部の弦を緩める

  3. 両手の親指と人差し指で駒の中央部を挟むようにして持ち、ゆっくりと正しい位置まで動かす


  4. 調弦し、駒の位置がずれていないか、駒が傾いていないか確認する

弦を緩める際、緩めすぎると駒が立てなくなるので、駒が立てるくらいまで適度に弦が張った状態でずらすようにしましょう。


調弦後に駒の傾きを必ず確認し、傾いていた場合は「駒の上部だけが傾いている場合」を参考に調整してください。

調整後、若干弦が狂うので再度調弦してください。


駒に歪みがある場合

駒に歪みがある場合は、駒の交換が必要になります。

リペアマンが在中している弦楽器専門店や工房で見てもらい、交換してもらうようにしましょう。


バイオリンの駒を調整する費用

バイオリンの駒は高さを調整するのか、足を調整するのかにより費用が変わってきます。

駒の高さ調整でだいたい3000円~、駒の足の調整で5000円~となるようです。


また、弦楽器専門店や工房によって費用が変わるので、在中しているリペアマンにバイオリンの駒の状態を見てもらい、必要な調整と費用を確認してください。


バイオリンの駒は自分で交換できる?

駒はバイオリンの音色に直結する大事なものです。駒の位置が1mmずれただけでも音色に影響します。

バイオリンと駒の相性もあり、駒の高さやカーブをバイオリンによって調整する必要があるので、リペアマンにお願いした方が安心です。


駒の高さやカーブを気にしないのであれば自分で交換することもできますが、あまりおすすめはしません。


バイオリンの駒を交換する費用

バイオリンのサイズや駒のグレードによって駒の交換費用が変わってきます。


フルサイズのバイオリンの場合、スタンダードな駒で9000円前後、グレードが高い駒でだいたい15000円~30000円ほどです。

分数バイオリンの駒は7000円前後です。


弦楽器専門店や工房によって駒の取り扱いが違い、費用が変わるので一度問い合わせてみましょう。


バイオリンの駒のE線についているテープは何?

バイオリンの駒のE線には、弦の食い込みを抑えるためのテープがついています。

弦の食い込みを抑えることで、弦が切れにくくなるというメリットがあります。


バイオリンのE線は他の弦と比べると明らかに細いのがわかります。

張力が強いだけでなく、駒にかかる力が細い分一点集中しやすいです。

そのため他の弦に比べて食い込みやすく、それを抑えるためにテープがついています。


このテープと同じ役割をしているのが、E線についているチューブです。

チューブを使用する場合は、E線が駒に当たる位置までずらして使用します。

駒にテープがついている場合は、チューブを使用しなくても大丈夫です。


バイオリンの駒の調整と角度まとめ

ここまでバイオリンの駒の役割から調整についてご紹介しました。


  • バイオリンの駒は音色に直結する重要な役割を担っている
  • 駒が傾いていたり、位置がずれている場合は自分で調整できる
  • 正しい位置はf字孔の内側の刻みに駒の中心が来るようにし、駒のテールピース側が直角になるようにする
  • 駒の交換はリペアマンにお任せする方が安心


バイオリン本来の豊かな音色で弾いていくために駒の状態をこまめに確認する必要がありますね。

必要に応じて調整をし、バイオリンを楽しんでいきましょう!


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この記事を書いた人

バイオリン初心者に役立つ情報をXやブログ、公式LINEで発信|講師歴15年|指導人数100名以上|音大卒・教員免許あり|30代・4歳と2歳の姉妹を育てるママ

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